サブリース事業適正化ガイドラインの策定(2020/10/24)
国土交通省は10月16日、サブリース業者とオーナーとの間の賃貸借契約の適正化に関する措置(令和2年12月15日施行)について、具体的な規制の対象を事例等で明示した「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」を策定し、ホームページで公開しました。
ガイドラインの概要は下記の通りです。
■規制の対象となる勧誘者の明確化
賃貸住宅の建設請負や土地等の売買の際にマスターリース契約の締結を勧める建設業者や不動産業者、特定のサブリース業者から勧誘の依頼を受けたオーナーが「勧誘者」に該当することを明確化。
■誇大広告等の禁止《誇大広告の例》
・マスターリース契約において利回りを保証するわけではないにもかかわらず「利回り○%」とのみ記載し、利回りの保証がされると誤解させるような表示。
・サブリース業者が行う賃貸住宅の維持保全について、実施しない場合があるにもかかわらず、当然にそれらの内容が実施されると誤解させるような表示。
・オーナーが支払うべき維持保全の費用について、実際のものよりも著しく低額であるかのように誤解させるような表示。
・契約期間中であっても業者から解約することが可能であるにも関わらず、契約期間中に解約されることはないと誤解させるような表示。
・オーナーが更新を拒絶する場合には、借地借家法第28条が適用され、オーナーからは正当事由がなければ解約できないにもかかわらず、オーナーから自由に更新を拒絶できると誤解させるような表示。
■不当な勧誘等の禁止《不当勧誘の例》
・家賃減額リスクや、契約期間中のサブリース業者からの契約解除の可能性、借地借家法第28条の規定によりオーナーからの解約には正当事由が必要であることについて伝えず、サブリース事業のメリットのみを伝える勧誘行為。
・オーナーに支払われる家賃が減額される場合があるにもかかわらず、断定的に「都心の物件なら需要が下がらないのでサブリース家賃も下がることはない」「当社のサブリース方式なら入居率は確実であり、絶対に家賃保証できる」「サブリース事業であれば家賃100%保証で、絶対に損はしない」「家賃収入は将来にわたって確実に保証される」といったことを伝える行為。
・大規模な修繕費用はオーナー負担であるにもかかわらず「維持修繕費用は全て事業者負担である」といったことを伝える行為。
・近傍同種の家賃よりも著しく低い家賃であるにもかかわらず、「周辺相場を考慮すると、当社の借り上げ家賃は高い」といったことを伝える行為。
■オーナーに説明すべき家賃減額リスク等の内容の明確化
契約締結前に書面に記載して説明しなければならないリスク事項を明確化
《記載して説明すべきリスク事項》
・家賃の定期的な見直しがあり、見直しにより家賃が減額する場合があること。
・契約条件にかかわらず借地借家法第32条第1項に基づきサブリース業者が減額請求を行うことができること。(ただし、家賃が経済事情の変動により不相当となったとき等借地借家法上の要件を満たさない限り、減額請求はできないこと)
・オーナーは必ずその請求を受け入れなくてはならないわけではなく、変更前の家賃決定の要素とした事情を総合的に考慮した上で、協議により相当家賃額が決定されること。
・契約期間中でも、サブリース業者から解約される場合があること。
・借地借家法第28条に基づきオーナーからの解約には正当事由が必要であること。
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