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全銀協 認知判断能力の低下した顧客の代理出金指針を発表(2021/2/25)

全国銀行協会は2月18日、認知判断能力が低下した顧客との取引をする場合に、法定代理人・任意代理人等の有無など状況別の対応の考え方を指針として発表しました。

公表された『金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方』の概要は下記の通り。

【銀行界を取り巻く現状(代理取引の課題)】
・認知判断能力が低下した顧客との取引の場合、法定後見制度である補助人、保佐人の同意を確認のうえ本人との取引を行う、あるいは任意後見人を介して、代理取引を行うのが一般的。
・しかしながら、成年後見制度の利用者総数は2018年末で約22万人にとどまる。
・銀行の実務においては、家族に成年後見制度の利用を促しても、月々の費用や、第三者に家族の資産を委ねることへの抵抗感等を理由に制度を利用してもらえないケースがある一方、本人の医療費、施設入居費、生活費等の支払いに充当するため、預金の払出しを求められるケースも多々ある。

【状況別の対応の考え方】
認知判断能力が低下した顧客本人との取引
・親族等に成年後見制度等の利用を促すのが一般的。
・前記の手続きが完了するまでの間など、やむを得ない場合は本人のための費用であることを確認するなどしたうえで対応することが望ましい。

代理権の無い親族等による取引
・親族等による無権代理取引は、本人の認知判断能力が低下した場合かつ成年後見制度を利用していない場合において行う、極めて限定的な対応であり、成年後見制度の利用を求めることが基本。
・認知判断能力を喪失する以前であれば本人が支払っていたであろう本人の医療費等の支払い手続きを親族等が代わりにする行為など、本人の利益に適合することが明らかである場合に限り、依頼に応じることが考えられる。
・前記はあくまで無権代理におけるリスク許容の考え方の一例であり、無権代理の親族等からの払出依頼に応じることによるリスクは免れないものの、真に本人の利益のために行われていることを確認することなどにより、当該リスクを低減させることができる。 

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